みなさん、こんにちは!なつぱぱです。
今回は、食事中に楽しむコーヒーについてお話ししようと思います。
食後のコーヒー、というのは定番ですが、私が提唱したいのは「食中」に楽しむカレーとコーヒーのペアリング。
今回は、なぜこの二つがこれほどまでに惹かれ合うのか、そしてどんなカレーとコーヒーを組み合わせれば美味しくなるのかをお話しします。
さらに、私が好きなエチオピアのイルガチェフェといった銘柄と、どんなカレーが合うのか、具体的なレシピのヒントも交えながら深掘りしていきます。
この記事で、カレーとコーヒーの新しい魅力をお伝え出来ればと思います。
最後までお付き合いください。
なぜコーヒーとカレーは相性が良いのか?

一見すると全く異なる飲み物と食べ物。
しかし、コーヒーとカレーには、驚くほど多くの共通点が存在するんです。
1. 香りの共通項
まず、最大の共通点は香りです。
カレーの命は、クミン、コリアンダー、ターメリック、カルダモン、クローブといった多種多様なスパイスが織りなす、複雑でエキゾチックな香りですよね。
実は、コーヒーも焙煎の過程で数百種類もの香り成分が生まれます。
ナッツのような香り、チョコレートのような香り、そしてスパイシーと表現される香りも、コーヒーの風味を評価する上で重要な要素なんです。
例えば、カレーによく使われるクローブ。
この香りの主成分である「オイゲノール」は、一部のコーヒー豆にも含まれています。
また、焙煎によって生まれる香ばしい香り成分「ピラジン類」は、スパイスを炒った時の香ばしさと見事に調和します。
つまり、カレーとコーヒーは、香りの分子レベルで共通の言語を持っているようなもの。
だからこそ、お互いの香りを打ち消すことなく、むしろ引き立て合い、より立体的で奥深いアロマを生み出してくれるのです。
2. 味覚の相互作用「酸味・苦味・コク」

次に注目したいのが「味」の相互作用です。
酸味
トマトやヨーグルト、タマリンドなど、カレーの持つ爽やかな酸味。
これが、フルーティーな酸味を持つ浅煎りのコーヒーと出会うとどうなるでしょう?
口の中がリフレッシュされ、次のひと口がまた新鮮に感じられるのです。
苦味
スパイスを焦がした時のほのかな苦味や、玉ねぎをじっくり炒めた甘苦さ。
これが、深煎りコーヒーの持つ心地よいビターな苦味と重なることで、味わいにぐっと深みと奥行きが生まれます。
コク
肉や野菜を煮込むことで生まれる旨味とコク。
コーヒーにも、特に深煎りの豆には、しっかりとしたボディ(コク)があります。
この二つのコクが合わさることで、口の中に広がる満足感は倍増します。
このように、複雑な味の要素を持つカレーとコーヒーは、お互いの味を引き立て合う完璧な関係性を持っているのです。
【実践編】このカレーには、このコーヒーを合わせよう!

理論はこれくらいにして、いよいよ実践編です。
具体的にどんなカレーにどんなコーヒーが合うのか、私のおすすめペアリングをご紹介します。
1. 王道の「キーマカレー」 × 中深煎りコーヒー(ブラジル、グアテマラなど)
ひき肉の旨味とスパイス感がダイレクトに感じられるキーマカレー。
比較的どんなコーヒーとも合わせやすい万能選手ですが、特におすすめなのがブラジルやグアテマラなどの中深煎りコーヒーです。
ナッツやチョコレートのような、どっしりとした風味と穏やかな苦味を持つこれらのコーヒーは、キーマカレーの力強い肉の旨味とスパイス感をしっかりと受け止めてくれます。
コーヒーの持つコクが、カレーの味わいをより一層リッチにしてくれる感覚です。
食中に飲むことで、口の中の油分をコーヒーの苦味がすっきりと流してくれる効果もありますよ。
2. 南インド風「サラサラスパイスカレー」 × 浅煎りコーヒー(ケニア、コスタリカなど)
ココナッツミルクやトマトをベースにした、酸味とスパイスのキレが特徴の南インドカレー。
このタイプのカレーには、ぜひケニアやコスタリカのような、明るくジューシーな酸味を持つ浅煎りコーヒーを合わせてみてください。
カレーの持つ酸味と、コーヒーの持つ柑橘系の酸味が組み合わさり、驚くほど爽やかな味わいになります。
食後感が非常に軽やかで、ついお代わりしたくなる組み合わせです。
3. じっくり煮込んだ「欧風ビーフカレー」 × 深煎りコーヒー(マンデリン、イタリアンローストなど)
デミグラスソースや赤ワインでじっくり煮込んだ、濃厚でビターな大人の欧風ビーフカレー。
これにはもう、マンデリンのようなアーシー(土っぽい)な風味を持つ深煎りや、イタリアンローストのようなスモーキーな苦味を持つコーヒーが合うと思います。
カレーの持つ深いコクと苦味に、コーヒーの持つ重厚な苦味とコクを「ぶつける」イメージです。同系統の力強い風味を重ねることで、とてつもない相乗効果が生まれます。
口の中に広がる、複雑でビター、そして長い余韻。
これはまさに、大人のための贅沢なペアリングと言えるでしょう。
エチオピアコーヒーとカレーのマリアージュ

コーヒー発祥の地エチオピアのコーヒーとカレーのペアリングについてです。
エチオピア産のコーヒー、特に「イルガチェフェ」は、他の産地とは一線を画す、非常に個性的で華やかな風味を持っています。
このコーヒーの個性が、スパイスカレー組み合わそる時、私たちは未体験のマリアージュを知ることになります。
イルガチェフェとのペアリング
イルガチェフェは、レモンやベルガモットのような柑橘系の華やかな香りと、紅茶にも似たクリーンで上品な後味が特徴です。
「まるでフルーツティーのよう」と形容されることもある、スペシャルティコーヒーの代名詞的存在ですね。
このエレガントなイルガチェフェに合わせたいのは、スパイスの香りを活かした、油分控えめの爽やかなカレーですね。
レモンチキンカレー
イルガチャフェの持つ柑橘系の酸味と、仕上げに加えるレモン果汁が見事にマッチします。
鶏肉の淡白な旨味を、イルガチェフェの華やかな香りが優しく包み込み、カルダモンやコリアンダーシードといった爽快なスパイスの香りを一層引き立ててくれます。
豆と野菜のスパイスカレー(サンバル風)
南インドのサンバルのように、豆と野菜が主役のヘルシーなカレーもおすすめです。
トゥールダールの優しい甘みと、トマトの酸味、そしてヒング(アサフェティダ)などの個性的なスパイスの香りが、イルガチェフェの複雑な風味と驚くほど調和します。
油分が少ないため、イルガチェフェの繊細な風味を邪魔することなく、お互いの良さを最大限に引き出し合います。
イルガチェフェと合わせる際のポイントは、引き算です。
カレーの油脂や動物性の旨味は控えめにし、スパイスの香りや素材の酸味を活かすことで、このコーヒーは最高の美味しさを見せてくれます。
おわりに

いかがでしたか?コーヒーとカレー。
この二つが、いかに深く、そして魅力的に結びついているか、少しでも感じていただけたでしょうか。
今回ご紹介したのは、あくまで私が考えるペアリングの一例に過ぎません。
カレーのスパイスの配合、コーヒー豆の焙煎度合いや抽出方法…。
その組み合わせはまさに無限大です。
いつものカレーに、今日はどんなコーヒーを合わせてみようか?
このコーヒーの個性を活かすために、次のカレーはどんなスパイスを使ってみようか?
そう考え始めると、毎日の食事がもっとクリエイティブで、もっと楽しいものになると思いませんか?
大切なのは、既成概念にとらわれず、自分の舌と感性を信じて、色々な組み合わせを試してみること。時には失敗もあるかもしれません。
でも、その先に、あなただけの「最高のペアリング」がきっと待っています。
今度の週末は、お気に入りのコーヒー豆を挽き、スパイスの香りに満たされたキッチンでカレーを作る!素敵な週末ですね。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。なつぱぱでした!
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