もう失敗しない!カレーの肉がお店みたいにホロホロになるテクニック

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みんな大好きなカレー。

食卓にあのスパイシーな香りが漂うだけで、なんだか幸せな気持ちになりますよね。

こんにちは!なつぱぱです。

カレーの肉が固いっ!こんなお悩みを抱えているご家庭は多いのではないでしょうか?

時間をかけて煮込んだはずなのに、なぜかゴムみたいに固くなってしまった…

お店で食べるカレーみたいに、お肉がホロホロとろとろにならない…

せっかく手間暇かけて作るカレー、お肉が固いと一気に残念な気持ちになってしまいますよね。

家族から「今日のお肉、ちょっと固いね」なんて言われた日には、作り手のモチベーションも下がってしまいます。

でも、ご安心ください!実は、いくつかの簡単なコツを知っているだけで、あなたのお家のカレーが劇的に美味しくなります。

まるでお店のシェフが作ったかのような、スプーンで簡単にほぐれる、あの”ホロとろ”の肉入りカレーを、誰でも再現できるんです。

この記事では、元カレー屋の私が、カレーの肉が固くなる根本的な原因から、それを解決するための具体的なテクニックまで、徹底的に解説していきます。

「なぜ、自分の作るカレーの肉は固くなってしまうの?」という長年の疑問に終止符を打ち、これからのカレー作りを”失敗知らずの楽しい時間”に変えてみせます。

ぜひ、この記事を読んで次回のカレー作りの参考にしてくださいね!

目次

なぜ?カレーの肉が固くなる根本的な3つの原因

まず敵を知ることから始めましょう。

なぜ、煮込んだはずの肉が固くなってしまうのでしょうか。

主な原因は3つあります。

タンパク質の熱変性

お肉の主成分は「タンパク質」です。このタンパク質は、熱を加えることで性質が変化し、固まる(凝固する)という特徴があります。

ゆで卵をイメージしていただくと分かりやすいでしょう。

液状の白身が、熱によって固い固体になりますよね。

お肉も同じで、60℃~68℃くらいの温度でタンパク質が凝固し始め、肉の中の水分が外に逃げ出してしまいます。

これが、肉がパサパサになったり、固くなったりする最大の原因です。

特に、強火でグラグラと沸騰させ続けるような煮込み方は、肉の水分を過剰に奪い、固くしてしまう最悪の調理法なのです。

間違った「肉の部位」選び

一言で「カレー用の肉」と言っても、スーパーには様々な部位が並んでいます。

実は、この部位選びが、仕上がりの柔らかさを大きく左右します。

例えば、脂肪が少なく赤身が多い部位(ヒレ肉やもも肉など)は、ステーキや炒め物には向いていますが、長時間煮込むカレーには不向きです。

これらの部位は、煮込むと水分が抜けてパサつき、固い食感になりがちです。

下処理の省略

「どうせ煮込むんだから」と、買ってきたお肉をそのまま鍋に投入していませんか?

実は、この一手間を省くことが、固い肉を生み出す原因になっているかもしれません。

お肉には「筋(すじ)」や硬い繊維があります。これを断ち切ったり、柔らかくしたりする下処理をしないと、加熱した際にお肉が縮んでしまい、キュッと固い塊になってしまうのです。

これらの原因を知るだけで、「あ、だから固くなっていたのか!」と納得できると思います。

【調理前が9割】カレーの肉を劇的に柔らかくする下準備テクニック

では、いよいよ本題です。これらの原因を一つずつ潰していき、お肉をホロホロにするための具体的なテクニックを見ていきましょう。

美味しいカレー作りは、煮込む前から始まっています。

ここで紹介する下準備をするかしないかで、仕上がりに天と地ほどの差が生まれます。 

テクニック1.すべては「肉の部位選び」から!

煮込みの王様を選ぼう!

まず、スーパーでどの肉を手に取るかが最初の関門です。煮込み料理には、煮込むほどに美味しくなる「コラーゲン」が豊富な部位を選びましょう。

コラーゲンは、長時間煮込むと「ゼラチン」というプルプルの成分に変化し、これが肉をとろとろ、ホロホロにする正体です。

牛肉ならコレ! 牛すね肉

コラーゲンの塊!煮込み料理の王様です。

最初は固いですが、じっくり煮込むことで極上のとろける食感に。

牛バラ肉

濃厚な旨味と脂の甘みが特徴。赤身と脂身のバランスが良く、柔らかく仕上がります。

ネック(首肉) 

よく動かす部位なので旨味が強く、コラーゲンも豊富。煮込みに適しています。

豚肉ならコレ! 豚バラ

牛バラ同様、脂身が多くジューシー。ブロックで購入し、大きめにカットするのがおすすめです。

豚肩ロース

赤身と脂身のバランスが絶妙で、豚肉の旨味をしっかりと感じられます。煮込むと柔らかく、それでいて肉々しさも残ります。

鶏肉ならコレ! 鶏もも肉

ジューシーでコクがあり、煮込んでもパサつきにくい万能選手。皮付きのまま使うと、さらにコクと旨味がアップします。

鶏むね肉は低脂肪でヘルシーですが、パサつきやすい代表格。むね肉を使う場合は後述する特別なテクニックが必要です。

テクニック2.プロは必ずやっている!魔法の「漬け込み術」

買ってきたお肉を、調理前に30分〜1時間ほど特定の液体に漬け込むだけで、驚くほど柔らかくなります。

これは、液体に含まれる「酵素」や「酸」がお肉のタンパク質繊維を分解してくれるからです。

ヨーグルト(無糖)

乳製品に含まれる乳酸菌や酵素が、お肉をマイルドに柔らかくしてくれます。

風味も邪魔せず、カレーとの相性も抜群。お肉全体にまとわせるように漬け込みます。

玉ねぎのすりおろし

玉ねぎに含まれる「プロテアーゼ」というタンパク質分解酵素が強力に作用します。

カレーには必ずと言っていいほど玉ねぎを使うので、一石二鳥ですね。

果物(パイナップル、キウイ、梨など)

これらにも強力なタンパク質分解酵素が含まれています。

少量(大さじ1〜2杯程度)のすりおろしを揉み込むだけで効果絶大。

ただし、入れすぎると肉が溶けてしまうほど強力なので注意が必要です。

炭酸水やビール

炭酸ガスが肉の繊維の隙間に入り込み、組織を緩めてくれます。

ビールを使えば、ほのかな苦味とコクが加わり、大人向けの深い味わいに。

塩麹・醤油麹

日本古来の発酵調味料。麹菌が持つ酵素の力で、お肉が柔らかくなるだけでなく、旨味成分であるアミノ酸も生成され、格段に美味しくなります。

テクニック3.焼く前の一工夫「筋切り」と「常温戻し」

筋切り

牛肉や豚肉の赤身と脂身の間にある白い「筋」。

ここに包丁の先で数カ所切り込みを入れておきましょう。

加熱による肉の収縮を防ぎ、反り返って固くなるのを防ぎます。

常温に戻す

冷蔵庫から出したての冷たいお肉を、熱いフライパンに入れるのはNG!

表面だけが急激に加熱され、旨味が逃げ出し、固くなる原因になります。調理を始める30分〜1時間前には冷蔵庫から出し、室温に戻しておきましょう。

テクニック4.「焼き固め」で旨味を閉じ込める!

下準備を終えたお肉は、煮込む前にフライパンで表面を焼き固めます。

強めの中火で、各面にしっかりと焼き色をつけましょう。

これにより、肉の旨味成分が内部にギュッと閉じ込められる「メイラード反応」が起こり、香ばしさもプラスされます。

また、表面がコーティングされることで、煮込んでいる最中の煮崩れも防げます。

【煮込みの極意】これを守れば失敗知らず!黄金の調理ルール

さあ、いよいよ煮込みの工程です。ここでも絶対に守ってほしいルールがあります。

ルール1.火加減は「コトコト弱火」で

忍耐強く焼き固めたお肉を鍋に移し、水(またはブイヨン)を加えて火にかけます。

ここで最も重要なのが「絶対にグラグラと沸騰させ続けない」こと。前述の通り、高温で煮続けるとタンパク質がどんどん固くなってしまいます。理想的な温度は90℃以下。表面がフツフツと静かに揺れるくらいの「ごく弱火」をキープしてください。

煮込み時間は肉の部位や厚さによりますが、目安は以下の通りです。

・牛すね肉  1時間半〜2時間以上

・ 豚バラブロック  40分〜1時間

・ 鶏もも肉  20分〜30分(煮込みすぎると逆にパサつくので注意)

途中、アクが浮いてきたら丁寧に取り除きましょう。これが雑味のないクリアな味わいに繋がります。

ルール2.「カレールー」、「塩分」を入れるタイミングが最重要!

これが、この記事で最もお伝えしたい究極のコツかもしれません。

多くの人がやりがちな失敗が、「野菜と肉を煮込み始めた早い段階でカレールー、または塩を入れてしまう」こと。これは絶対にNGです!

カレールーには、味付けのための「塩分」が多く含まれています。この塩分が、浸透圧の関係で肉の内部の水分を外に追い出してしまうのです。

つまり、肉が柔らかくなる前にルーや塩分を入れてしまうと、そこから先はいくら煮込んでも肉は固くなる一方なのです。

正解は、「お肉が十分に柔らかくなってから、ルーや塩分を入れる」です。

一度火を止め、お肉を箸でつまんでみて、スッと崩れるくらい柔らかくなっていることを確認してから、カレールーを溶き入れましょう。

こうすることで、肉の柔らかさをキープしたまま、味付けをすることができます。

玉ねぎを炒める段階の塩や、鶏肉の下味の塩分は少量なので、肉が固くなるほどの影響はあまりないです。

ルール3.文明の利器「圧力鍋」を使いこなす

そんなに長時間煮込んでいられない!

という忙しいあなたには、圧力鍋が最強の味方です。

高温・高圧調理により、通常なら2時間かかる牛すね肉の煮込みも、わずか20〜30分の加圧でホロホロに仕上がります。

ただし、圧力鍋でもルーを入れるタイミングは同じです。

まず水と肉だけで加圧調理し、圧力が下がってから蓋を開け、ルーを溶き入れるようにしてください。

【応用編】鶏むね肉をパサつかせずに仕上げる裏ワザ

ヘルシー志向で鶏むね肉を使いたい場合、特別な工夫が必要です。

後入れ片栗粉コーティング法

1.鶏むね肉は繊維を断ち切るようにそぎ切りにします。

2.ポリ袋に切ったむね肉と、少量の酒、塩こしょう、そして片栗粉(肉の量に対して大さじ1程度)を入れ、よく揉み込みます。

3.カレーのルーを溶き入れて、火を止める前に、このむね肉を一枚ずつ投入します。

4.弱火で2〜3分、肉に火が通れば完成です。

片栗粉のコーティングが肉の水分を閉じ込め、驚くほどしっとり、ぷりぷりの食感に仕上がりますよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

カレーの肉をホロホロにするためのテクニックを、これでもかというほど詰め込んでみました。

最後にもう一度、大切なポイントをまとめます。

・肉は「牛すね肉」や「豚バラ」などコラーゲン豊富な部位を選ぶ。

・調理前に「ヨーグルト」や「玉ねぎ」で漬け込み、柔らかくする。

・煮込む前に表面をしっかり焼き固め、旨味を閉じ込める。

・煮込みは「コトコト弱火」で、沸騰させ続けない。

・最重要!カレールーは、肉が完全に柔らかくなってから最後に入れる。

これらのポイントは、一見すると少し手間に感じるかもしれません。

しかし、一つ一つは決して難しいことではありません。この一手間二手間が、あなたのお家のカレーを「いつもの味」から「お店を超える特別な一皿」へとワンランクアップさせてくれます。

料理は科学です。

なぜ固くなるのか、どうすれば柔らかくなるのか。その理屈を知ることで、もう二度と失敗することはありません。

記事を参考、最高の食材と少しの愛情を持ってキッチンに立ってみてください。

きっと、あなた史上最高に美味しい、お肉がホロホロとろとろの絶品カレーが作れるはずです。ご家族の「美味しい!」という笑顔が見れますように!

では、また次回のブログでお会いしましょう!

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この記事を書いた人

なつぱぱのアバター なつぱぱ 元カレー屋従業員 自分のカレー屋開きたい人

カレーをこよなく愛する一児のパパ。
カレー屋で7年間修行のあと、カレー屋を開くためにカレーを研究。

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